top of page
検索

大崎紀夫著『3行詩その他115・2024』

  • ht-kurib
  • 4月20日
  • 読了時間: 1分



 大崎さんには沢山の著書がある。詩人で俳人、そして表現者である。「ウエップ俳句通信」などを発刊されておられる。

 今回の著作は、多行形式の俳句に似てはいるが、そうではない。やはり三行詩であろう。省略が効いており、行間を埋めるには読者の想像力が必要である。だから、本書の鑑賞は、読者の責任となろう。

 2025年4月10日、株式会社 ウエップ発行。


 私が気に入った……というか、想像が広がった作品を掲げて、お礼に代えよう。


033 ベンチに坐っている

    〈私〉という


    〈物〉


041 城壁に沿って歩き歩き

    やっと城内に入ると


    暦がちらばっている


058 腹に穴が開いて  

    〈私〉が全部


    吸い込まれる


062 月日は

    電球の笠の上に


    積もっている


066 海辺の墓地に

    今日も出かける


    部屋を出ずに


075 地面に円を描いて

    その外に


    一日いた



 鑑賞は難しい。どの作品も、たとえ身の外のモノを詠んでいても、それは作者大崎さんの心の中のことであるようだ。あくまでもご自身が中心の三行詩であるようだ。

 新しい表現形式を提案するものであろう。そして、このような詩なら、私も書けそうだと思わせてくれる。


 有難う御座いました。

 
 
 

Comments


記事: Blog2 Post

©2021 by 栗林のブログ。Wix.com で作成されました。

bottom of page