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怜玢
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神田ひろみ句集『われを去らず』




 神田さんは、楞邚の「寒雷」で育った才媛。楞邚に係わる俳論を曞いお珟代俳句協䌚評論賞を受けおいる。たた「われを去らず」䞉十句で同協䌚幎床賞を貰っおいる。

 今回の句集『われを去らず』は第䞀句集『虹』、第二句集『颚船』ずその埌の䜜品の集倧成で、思いの籠った第䞉句集である。幎月日、癟幎曞房発行。


 自遞句は次の通り。


  あふむきお時淡くなる鰯雲

  炎倩を父の手玙の来぀぀あり

  かなかなの玠顔ずなれば聞こえけり

  垌望ふず熱き䞀個の今川焌

  環(めぐ)り来お疟颚怒激倜の林檎

  巎旊杏五歳のころの山河芋ゆ

  違ふ明日来るずミモザは髪に觊れ

  指で拭く汗よみじかき晩幎来

  梚剥いお氎の立䜓ずりだしぬ

  青田原走぀おくる子手が翌

  月明の子芏の机はΣ(シグマ)かな

  われを去らず䞉月十䞀日の氎


 小生の感銘句は次の通り。印は自遞ず重なった。


 氎の音火の音垰省目芚めけり

 炎倩を父の手玙の来぀぀あり

 垃の端持たせおもらふ雪晒

 背泳の䞀かき癟合の銙がすぎぬ

 子がふ぀ずわれをはなるる流れ星

 草螢たた匟に生れ来よ

  胜登

    秋の浜ひろふ小石のみな仏

 楞邚留守胡桃の䞭に音のしお

 濛濛ず囜生むやうに初湯かな

 青田原走぀お来る子手が翌

 ひやひやず陞奥(みちのく)に入るふくらはぎ


 小生のむチオシの句をあげおおこう。


 背泳の䞀かき癟合の銙がすぎぬ

 泳ぎの䞊手な人は、背泳ぎをしながらゆっくり空を眺めるこずが容易にできるようだ。ほんのひず掻きしたら、癟合の銙が過ぎお行った。こんなこずっおあるかなっお思う。䞍思議な感芚的な句。ホテルのプヌルならあり埗るかも。でも、事実かどうかは、実は、どうでもいい。この身䜓感芚、ずくに臭芚が、感芚的な「詩情」を私に䞎えおくれた。奜きな句です。

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